個人事業を始めたばかりの方にとって、所得税の申告と並んで消費税の申告は頭を悩ます問題であると声をよく聞きます。その中でも消費税はいつからかかるのかという点についても、お悩みがあろうかと思います。そこで、以下では、そもそも消費税ってなにという点から初めて消費税がいつからかかるのか、または還付を受けるための方策について検討していきたいと思います。

消費税の概説

消費税とは、物(「ぶつ」とよみます。)取引やサービスの提供(「役務提供」といいます。)に対してかかる税金です。法人税・所得税などの所得(要するに稼いだ結果のことです。)に対してかかる直接税と対比して間接税といわれています。
また、消費税は、取引の段階に毎に転嫁されていき、最終的には消費者が負担する税です。このような消費税の構造からすると、事業者の方が申告する消費税の額は、売買の例でいいますと、

「売った品物に係る消費税-仕入れた品物に係る消費税=申告する消費税の額」

ということになります。

なお、消費税では、消費税がかかる取引を「課税売上げ」と又は仕入取引のうち消費税の支払った仕入取引を「課税仕入れ」といいます。

消費税の課税事業者

では消費税はいつからかかるのか、という点について概説します。
個人事業主の方に絞って申し上げると、個人事業主の全ての方が消費税を納税する義務を負っているわけではありません。
消費税の納税義務を負うかは、課税売上げによって決まります。

原則として、個人事業主の方が消費税の納税義務者=消費税の課税事業者となるのは、ある年の2年前(これを「基準期間」といいます。)の課税売上げが、10,000,000円以上である場合です(なお、消費税がかからない事業者を免税事業者といいます。)。

そうすると、
個人事業主の方に消費税がかかるのは、「事業開始から3年目」ということになります。

裏を返すと、「事業開始から2年間は消費税はかからない」ともいえます。

消費税の還付申告との関係

3.1 )課税事業者しか、消費税の還付申告はできません。そうすると、事業開始から2年間は、課税事業者になれないので、還付申告はできません。

3.2 )ここで、個人事業主の方で、よくお聞きするのが、マンション経営などをされている家主さんなどが、物件を購入した初年度に、消費税の還付を受けたいが、初年度は、先ほどのとおり、課税事業者ではないので、消費税の還付申告ができません。マンション経営では、物件の購入費用などの初期投資が高額となり、これにかかる消費税の額も多額とにわたります。

具体的には、物件の購入価格のうち建物部分の消費税について還付申告ができないかという要望が多いのです(ちなみに土地の購入代金には消費税はかかりません。)。

課税事業者選択届出書

個人事業主の方が、消費税の還付申告を受けるためには、課税事業者とならなければならないことは上記のとおりです。そこで、事業開始から2年を経過しない場合であっても、課税事業者となる方法があります。

それは、課税事業者選択届出書を税務署に提出することです。課税事業者選択届出書とは、免税事業者が、課税事業者となることを選択する届出書です。この課税事業者選択届出書を事業開始期間の初日の前日までに税務署に提出すると、事業開始期間から課税事業者となることができ、還付申告を行うことができます。

なお、この届出書を提出した事業者は、事業廃止の場合を除き、原則として、課税選択によって納税義務者となった最初の課税期間を含めた2年間は免税事業者に戻ることはできないことにご注意ください。

消費税についてまとめると

以上のとおり、原則として、消費税かかかるのは、課税事業者となる事業開始後3年目からですが、今期免税事業者で、消費税の還付申告をして消費税の還付を受けたいと考えている個人事業主の方は課税事業差選択届出書の提出を検討されてはいかがでしょうか。
なお、実際に還付申告を行う場合には、専門家の判断を仰ぐことも併せてお勧めしておきます。